男と女は、愛無くしては、ひと時たりとも生きてはいけない。男と女は、かくも悲しい。
コスモスと八ヶ岳
そういえば、
昔、八ヶ岳に遊びに行ったときに、
小海線の線路脇に生える
コスモスの花を見て
感動した記憶がある。

場所は、小淵沢から出発して、清里を過ぎた野辺山駅の少し手前。
ちょうど小海線の標高がいちばん高くなるあたり。
あれはたぶん自生したものではなく、
植樹したものなのだろうが、
冷涼な秋の空気の中に
可憐に群生する姿に
この世の無常を感じた。

たしかあいだみつをが、
花は、誰かに見てもらうためにきれいに咲いているのではなく、
ただ精一杯咲いたその姿が美しいのだ、
と述べていたような気がする。
あのコスモスも同じなのだろう。

八ヶ岳の山容を初めて見たのは、
もう十年以上前のことになるが、
私のいちばん好きな山だ。

蛇足だが、次に好きなのは鳥海山(ちょうかいさん)。
日本百名山にも選ばれている秋田の名峰だ。
次に好きなのは、寒風山(かんぷうざん)。
これは子どもの頃から慣れ親しんだ郷土男鹿の名峰だ。

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バタフライハンター
うちの近所にバタフライハンターがいる。

ちょっと前に近所の児童公園まで妻と散歩したとき
大勢の子どもたちが虫取りをしていた。
「なにを捕まえたの?」
という妻の問いかけに対して
小学校低学年とおぼしき女の子が、
捕まえた虫についてくわしく語ってくれた。
虫かごには、
一匹の白いチョウチョがいた。
彼女は、
いかにして自分がそれを捕まえて
いかにそれが素晴らしいチョウチョか、
ということを
立て板に水のように語った。
彼女の眼は輝き
話しながらも次の獲物を探していた。
と次の瞬間
「見い〜つけた!!」
の叫び声とともに、
年下の男の子をめがけて猛然とダッシュしていった。
あっけにとられる私を横目に、
妻は静かに厳(おごそ)かに言った。
「女は、生まれたときから狩人なの」

それ以来、
彼女は、
私たち夫婦に
バタフライハンターと呼ばれている。

今頃どんなチョウチョを追いかけていることだろう?
最近彼女の姿を見たためしがない。

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