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男と女は、愛無くしては、ひと時たりとも生きてはいけない。男と女は、かくも悲しい。
小指の思い出
私の小指はまっすぐじゃなくて、少しS字型に曲がっている。これは母親に似たのだと思うが、私にとっては少しコンプレックスだ。夫は男にしては妙にきれいな手をしている。色白で指が細く長くスラッとしていてとてもセクシーだ。私の自慢の手だ。普通に見るとそれほどでもないが、写真に写っている夫の手なんかを見ると、セクシーを通り越してとてもいやらしくエッチな手に見える。私以外に何人の女性にその手でその指で相手が悦ぶことをしてきたのか想像するとムラムラと嫉妬心が湧き上がってくる。夫は自分の過去を語らない。私がしつこく聞いてもごまかしてけっして教えない。「そんなに多くないよ」とだけ答える。そんなにってどんなにだろう、と私は考える。明らかに深いつきあいをしていた人は私の知っている限りでは4人ばかりいる。その年齢その時代で制約はもちろんあるだろうけど、かなり本気で愛していたようだ。彼の心の中には今でも彼女たちがうごめいている片鱗が感じられる。どこかで耳にした言葉だが「過去の誰かのことを忘れられなくても、新しい誰かのことを愛することは出来ますよ」というのがあった。確かにそうなのだろうけれども、私には今ひとつ釈然としない。とりあえず私は一番新しく愛された女ということなのだ。彼は口がうまい。女の人が悦びそうなことを平気な顔をしてシッラと言う。「いつもかわいいね」「いつもきれいだよ」「いい香りがするね」「その服、よく似合っているよ」「君は不思議だね。きれいでかわいいよ。そんな女性めったにいないよね」。さりげなく次から次へと出てくる。あやしい。きっと他の女性にもそう言っているに違いない。たずねると「本当にそう思ったから言った」という。確かに彼はとても不器用なところがあって、本当にそう思わなければ言えない。お世辞が言えない。そこがいいともいえるが、危険なところでもある。なぜならば、私以外の女の人に対しても、そう思ったら素直に言ってしまうからだ。
私はよく注意する。
女は、いい男を見つけたら自分のものにしたがる生き物だから、相手に誤解されるようなことを言っちゃダメ、って。
彼は言う。
「だって、ホントにそう思ったから言っただけだもん。相手を褒めちゃいけないの? それに、そう思わない人には言わないよ」
「だから、そこがダメなの。世の中は寂しい人だらけなんだから、ちょっと優しい言葉をかけられると私に気があるんだって勘違いするから」
「だって、おれぜんぜんそんな気ないよ」
「あなたがなくても、相手がそう思うの」
「ふ~ん、そんなもんなんだ。でも、気がある人に言ってもぜんぜん相手にされないんだけどな?」
「あのねぇ、そうじゃないの。女はね最初その気がなくても、繰り返し優しくされると、その心地良さにだんだん気持ちが引き寄せられていく生き物なの」
「ふ~ん、そうなんだ。ぜんぜん知らなかったよ」
「あのねぇ、前から言おうと思っていたんだけど、あなたはね、なぜかしらどこかしら女を惹きつける、ほっとけない何かをもっているのよ」
「へえ~、そうなんだ」
「あのね、教えてあげるけどね、あなたの身につけているふとした瞬間に見せる寂しさとか翳りとか、分かる女はそういうのを敏感に察知して引き寄せられていくのよ。そうね、母性本能をくすぐられるっていうのかしら。あの人には私がついていなくちゃダメ、私があの人を幸せにしてあげる、って思わせるものがあるのよ。分かった?」
「よくわかんないな。おれ女じゃないもん。でもまあいいよ。これからは気のない女に優しい言葉はかけないから」
「そうじゃなくて、どんな女にも優しい言葉をかけちゃいけないの」
「はいはい、分かりましたよ。きびしいなぁ」
ダメだ、まだぜんぜん分かってない。
夫教育に終わりはないわね。

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コメント
この記事へのコメント
どこが境界線?
 さて、その彼女は仕事の接待や飲み会だけでそのような態度をとるのか、それともそれらに関わりなく基本的にいつでもそのような態度をとるのか、で男性たちの見方が変わってきますよね。仕事や接待だけなら、「仕事スタンス」、それ以外のときなら「本気スタンス」と解釈されるでしょうね。まあ、女性としては勘違いされても「お客様だから」、と思って笑ってすませられるでしょうが、最近はそんなことが分からない、あるいはそんな言い訳が通用しない精神的に未熟な男の人が増加してきてますから、逆恨みされて変なトラブルに巻き込まれないといいですね。
 私は、最近は女性との関わりもほとんど無くなり、おかげで誤解されることもなく平穏な日々を過ごしております。近頃は若い頃の脂っ気が抜けて、ちょい枯れおやじになってきて、こんな自分もなかなかいいんじゃないかと思っています。食の好みもあっさり系に変わり、物理的に脂も抜けて体重も軽くなってきたことだし。
 興味のない相手や嫌いな相手に褒められたり優しくされたりしたときは、相手を傷つけないように配慮しながら
「そうですか、どうもありがとうございます」ですませていますけど、それでもまだ危険ですかね?
2007/01/10(水) 21:26:39 | URL | ジャスティス #O6F.7u1w[ 編集]
男女関係なく
褒めたり 優しくしたりすると好意があると
勘違いされる事って本当に多いですよね。
私の友達は営業肌の女性で 本当に褒め上手なんです。喜び上手なんです。
そんな態度を取るものだから その友達と関わった男性は全員と言って良いほど自分に好意があると勘違いするんです。(^◇^;)
友達に注意しても「私は そんな気はないわ♪ だって皆さん お客さんだもん♪」と・・・。
それだけ魅力があると言えばあるんですがね。

これは女性でも言えますよね。
優しくされたり 褒められたりすると好きでなくても 徐々に好意を持ってしまう。
これは やっぱ愛されてると勘違いをしてしまうんだと思う。
愛されると悪き気はしませんからね。
でも 本当に嫌いな相手から 褒められようと優しくされようが 気も止めませんが・・・((爆))
2007/01/07(日) 22:33:46 | URL | altec2005 #mQop/nM.[ 編集]
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